≪猫≫

 

 

詩 : 天野恵美子

イラスト : 小林 豊

 

ガラス窓の向こうに猫がいます

今日の空よりすこしだけ濃いブルーの猫です

その猫がさっきから私を見ています

いいえ 視られているように思います

むこうも一匹

こっちも一匹

私も視返しました

精一杯の親愛をこめて

でも先に目を逸らせたのは私の方でした

ブルー1色の猫の2つの眼が

ゴールドに輝いて

いつまでも私を見つめていたからです

私は一瞬ひるんでしまったのです

私の眼が輝いているかどうか

考えてしまったのです

私は鏡を見に行きました

眼をしっかりと見開いて戻ってきたら

ブル―の猫はもういませんでした